解説
ダブルトップとは、ドイツのギター製作者の、M・ダマンとG・ワーグナーにより
開発されたギターの表面板の新しい構造製法のギターです
ノーメックスを使う革新的なアイデアは国際的に高い評価を受けています。
このダブルトップギター製法は
Robert Ruck、Fritz Mueller、Jim Redgate、Michel Bruck、Boguslaw Teryks、
P.Fisher他の多くの弦楽器製作者も採用しています。 新しいダブルトップの表面板には、
Nomex「ハニカム」と呼ばれる航空宇宙材料のコアで分離された2つの薄い「スキン」が含まれます。
ハニカムは、厚い断面で蜂の巣のように見える六角形のセル構造です。
軽量で質量が小さく強度がありギターの表響板に最適です Nomex「ハニカム
DT誕生背景
過去100年にわたって、コンサートクラシックギタリストの音楽的な要求(大規模な劇場での演奏、他の楽器との共演演奏、
オーケストラによる協奏曲の演奏,)によりギター界はより多くの音量ある楽器を追及して来ました。
1980年頃にワグナーとダマンは、
音響問題や職場で生じた実際的な疑問について意見を交換していました。
ダマンは、改革を試みて2つの木(表面版用)の間に薄い木製の細かい枠
(木製によるハニカムに似た構造)を入れた三層の表面板の軽量化によるギターを作っていました。
物理的に比重の低い木材の表面版のギターは良く鳴るのです。。
当時のダマンのトップス(表面板)に薄い木製によるハニカム構造を挟み込む製法は非常に煩雑でした。
ワグナーがNomex「ハニカム」を発見、推奨した時ダマンは、迷わずそれを活用しました。
最初にダマンが、
このNomexを使ってDT・ダブルトップギター(Nomexハニカムによるギター)を作りました。
この製法には合成接着剤と特殊機械による真空接着の技術が厳しく要求されました。
ダマンのDT第一号に少し遅れてワグナーもNomexのDTダブルトップギターを作りました。
この為、どちらが先駆者?と?諸説が混乱していますが、
結果 ノメックスDTはワグナー、ダマンの共同開発と言えるのです。
ダマンが三層による、トップスに早くから考案着眼していたのも事実です。
以後、多くの弦楽器製作者がギターのトップス(表面板)を作る際にNomex使用法を模倣しています。
Yulongはダマン、ワグナーの製法に更に独自のダブルバック構造を追加して
より長い、サステーン、倍音、ロングトーンを可能にしました。
ダブルバックとはギター胴内部の背面側に一枚の板で仕切をつけ
深さ2センチ?程の共鳴室を増設。
そのダブルバック増設板の輪郭部に、ヴァイオリンのFホールの様な音の出口が数カ箇所開けられています。
この穴から共鳴により生まれた音、エコーが本来の音とブレンドしてサウンドホールから発音するシステムです。
その効果は如実で舞台で効果を発揮しています。
(近年ワグナーは、
スペイン・ラミレス工房でDTギター制作指導しました。彼らのために真空装置機械を作って与えたそうです。)
DTの特性
2つの木製スキン間のスペーサーとしてNomexを使用すると、
弦の張力に耐えるのに必要な高い剛性と、
楽器から放射される音の量を向上させる2つの低密度が得られます。
さらに、音の伝播を改善します。
ギター弦を弾く事で生じる力はあまり強くなく、短時間の勢いしかありません。
弓弦楽器のように、弓で摩擦し続ける連続的な入力はありません。
ギターのトップ/ブリッジの機械的インピーダンスは弦のインピーダンスとは異なります。
その結果、2つの結合されたオシレーター(弦とギター本体)
のインピーダンスマッチングを改善することが重要です。
インピーダンス整合により、エネルギーのより効率的な伝達が可能になります。
より軽いトップを持つことで、より多くのボリュームが得られます。
これらのトップは柔軟性がありますが、弾力性を犠牲にすることなく、
ボリュームのより良いモジュレーションを得ることができます。
より広いダイナミックレンジがあります。
非常に小さな力(タッチ)でも振動を誘発するのは簡単です。
より良いピアニッシモを手に入れ、必要なときに大音量で演奏することもできます。
従来のソリッドトップと比較したダブルトップの物理的な利点には
強度の増加、柔軟性の向上、および重量の顕著な減少が認められます。
この構造は、優れた共鳴と速い立ち上がりで応答する楽器です。
ダブルトップギターは、小さなボディから大きな音を出すことができます。
より鋭く発音するので、
レスポンスの速さから演奏(速弾き)の技術的向上を得られます。
Nomexは従来のソリッド(単板)トップギターよりも割れにくく
湿度と温度の変化に対してはるかに抵抗力があります。
多様な気候環境に耐え一貫した音質の応答が得られます
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ダブルトップ、ダブルバック、ご理解頂けたでしょうか?
最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。